2019/08/10

老後2千万円不足問題「老後の備えは投資で」

 今年6月に「平均的な高齢夫婦世帯の場合、毎月の支出が公的年金収入を約5万円上回るとし、今後30年生きると2千万円不足する」と試算して金融庁の報告書が大きな問題となりました。報告書の作成を指示した担当大臣の麻生財務相自ら、報告書の受け取りを拒否するなど、バタバタの醜態をさらしましたが、この金融庁の「年金だけで老後は暮らせない」という報告書は逃げられない事実です。

 問題は、少子高齢化で公的年金給付の減少が続くとして「自助」を強調。危険があるから投資を避けるのは「豊かな生活のための有力な選択肢の一つを放棄してしまう」とあおり、老後の備えを口実に積立NISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)などの金融リスク商品への投資を奨励していることです。

 両制度とも税の優遇措置はあるものの、元本割れのリスクがあり、報告書も「資産が目減りする時期も当然ありうる」と危険性を認めています。

 これまで金融庁が「個別の経営判断」として放任してきた、金融機関の「ノルマ」が、スルガ銀行、かんぽ生命など相次いで「顧客本位」を踏みにじる不正行為を生んでいることへの責任を感じているのなら、「老後の備えを金融リスク商品で」などと、とても言えないはずです。

 金融機関を監督する立場の金融庁が、このような無責任なスタンスなら、金融機関の現場労働者が「顧客本位」の営業を責任もって進めることなどできません。

(近畿支部・T)


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