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三菱東京UFJ銀行400人解雇問題概要三菱東京UFJぎんこうは、2010年(平成22年)6月、同行カード拡販のために直接雇用していた400人の契約社員を、カード事業の赤字を理由として、「全員平等」に2011年1月末日をもって「契約満了」とする解雇を通告してきました。 契約社員の中には、10年以上働いてきた人もいて、20名以上の方が「金融ユニオン」に加入し、継続雇用を求め銀行と交渉を開始しました。 三菱東京UFJ銀行との団体交渉(2010/07/01)2010年6月の三菱東京UFJ銀行による店頭カード販売契約社員400人の解雇が発表された後、各地で金融ユニオンへの相談が相次ぎ、組合加入者から、以下の内容の要求書を銀行側へ提出し、2010年7月1日、団体交渉で、銀行と交渉しました。 要求内容は、次の通りです。
2010年7月1日の銀行との団体交渉では、当事者となる組合員も参加して、「経営の責任を契約解除というスタッフ犠牲にしないこと」、「カード事業が貸金規制法との関係や、カードの利用状況が悪いのは、経営の責任であって、販売スタッフには何ら責任がないこと」、「3年以上の長期にわたり働き続けたスタッフさんは、正行員並みに雇用に対して責任を取ることが、労働運動での共通の要求である」、また、「事業廃止はやむを得ないとしても、そこで培ってきたスタッフさんの経験やノウハウを企業の発展に使うことは、経営者のまさに課題ではないか」と強く主張しました。 団体交渉に参加した当該組合員から、「職場で契約期間の2011年1月まで、目標も無く「飼い殺し」のような職場や、”雇用の不安”から体調を崩している人も出てきている。」また、「世帯主として子育てに責任を持って働いていて、教育ローンの利用も間近に控えている人では、勤続3年以上の勤務年数が「0(ゼロ)」にされ、さらに仕事も見つかるかわからない不安がある。」ことが訴えられました。 これに対し三菱東京UFJ銀行は、下記の対応を実施して来ていると回答してきました。
また「どうしても働かなければならない人への個別配慮など、ここに相談を申し出て欲しいが、一律の雇用を保証することはできない。」と回答しました。 金融ユニオンとしては、個々のスタッフさんの声を、組合として取り上げ、生活と雇用を守る取り組みに、一丸となって交渉を継続する決意です。 三菱東京UFJ銀行との団体交渉 第2回雇用責任を守れと交渉を続けています三菱東京UFJ銀行は、店頭でのカード拡販営業の契約社員、全国400人の解雇を6月に発表しましたが、当該職員が、金融ユニオンに加入して2度の団体交渉を行いました。 私たちは、経営の失敗を事業廃止とすることを経営の問題と考えます。平成22年3月期の銀行グループの経常利益が、5300億円以上の高利益を計上するトップバンクが、そこに働く労働者の雇用責任を放棄することは、許されないと交渉しています。 銀行のいう「丁寧な対応」だけでは社員の生活を守れないこれまでの金融ユニオンとの様々な交渉を踏まえて、「丁寧な対応をする」として、短期契約書にはない実質退職金(=一時金の名目)を最大6ケ月の支給・雇用保険で会社都合などの対応・就職希望者をテンプスタッフに紹介すると努力をしている姿勢をアピールしてきています。 400人余の契約社員のうちで、引き続き就職を求めている人は2百数十名いて、中にはもともと派遣会社の仕事であったものを銀行直雇としたり、定年まで働けるとの説明で就職した人や、家庭の生計の中心として子供さんを専門学校や大学生として養育している人たちもいます。銀行提案の一時金はいらないから、従来の賃金水準の仕事を銀行の責任で保証してほしいとの切実な声が出されています。 幾つかの提案を一歩の前進で、雇用確保が可能であるテンプスタッフのあっせん業務として、銀行関連のUFJニコスの営業業務を、同じ銀行の店頭で賃金水準の違う雇用責任を回避する別会社での派遣契約に切り替えをする120人の雇用確保を提案してきています。6ケ月契約で営業の実績インセンティブ次第で次の契約もどうなるかわからない不安な内容です。組合としては、同じ銀行店頭で同じようなカード販売をするならば、銀行が雇用責任を持って、UFJニコスへ出向する契約形態を要求しています。 また、正行員への登用をしやすくするからとして生保や損保の保険販売資格を取得推奨しておきながら、今年2月銀行経費削減の一環で、利用していない販売資格の抹消手続きをされた人もいます。このような資格を活用することで現在の銀行業務で仕事を確保できる方もいるにもかかわらず、個別の状況を十分把握することなく「公平」の名目で一律に雇用契約を解除してきています。現場の労働者を日々大切にすると発言する銀行のトップ役員の行動は、今こそ言行一致が求められているのではないでしょうか! いま円高で内需拡大が求められる時、「体力あるトップバンクは、失業者を出すべきではない」ということが国民の総意ではないでしょうか! 組合要求交渉に大きな成果金融ユニオン 中央執行委員長 牧野 三枝子
同行は、昨年6月全国400人のカード拡販のために直接雇用していた契約社員を、カード事業の赤字を理由として、「全員平等」に今年1月末日付けで「契約満了」解雇を通告してきました。 組合としての銀行への要求は下記の内容です。 組合の要求
組合交渉の成果この間の組合交渉の成果を以下にまとめます。
組合の取り組み金融ユニオンの今回の成果は、社員でも、派遣社員でも短期の非正規労働者の闘いを一貫して支援取り組んできたこれまでの活動に続く成果です。
今回も長年銀行のために働いてきた労働者が、経営の失敗でなぜ解雇されなければならないのか(銀行は、解雇でなく短期契約の満了という)の怒りと生活の保障を求める関係労働者の切実な要求が、銀行の譲歩を勝ち取ったものです。昨年の7月以来の10回に及ぶ交渉や団交責任者を窓口にした事務折衝と金融労連本部や多くの仲間の支援、そして週刊金曜日などのマスコミでの報道や国会議員の大きな協力を得て今回の解決を実現することができました。契約期限満了の1月31日前後でも新しく組合に加入してくる仲間がいました。 今後、仲間の就職する職場は、銀行100%の子会社の派遣会社のもとで、同じく銀行100%の子会社事務センターであることから、銀行は、事務センターに働く現組合員の労使協議を従来同様に金融ユニオンと銀行との団体交渉でおこなうことを約束しています。 今回の就職紹介にあたり銀行は、当該の職場は、銀行業務が続く限り無くならない職場であり、そこでは派遣契約とはいえ10年以上にわたって働いている方もいる、銀行の100%子会社であり、同様雇用形態の組合員の問題も金融ユニオンの銀行団交で扱ってきた事を確認していることから、ほぼ銀行直雇に準じた労使交渉を約束しています。 金融労連中央委員会での組合員の発言「昨日、帰宅後、息子の寝顔を見ながら涙が溢れてきました。銀行との交渉が進み始めホッとしたからです」 「金融ユニオンとの出会いに感謝しています。私はこの出会いがあったから自分の思いや要求を銀行側に伝えることができました」 「私を含め、法律などに詳しくない一個人が、担当弁護士を何人もつけている大企業相手にたたかうことは、とてつもなく勇気がいることです」 「(クビを宣告されて)悔しさも悲しみもどこにもぶつけられず、小さな息子を連れて就職活動に保育園探し。仕事がなければ保育園にも入れず、保育園に入らなければ仕事にも就けない。会社にも社会にも見捨てられたような孤独感、精神不安定」 「金融ユニオンに出会わなければ、私の人生は悔しさと敗北感を抱えたままだったでしょう」 「私の場合は組合での活動に家族も友人も応援してくれていますが『大企業相手に何をするんだ』と家族に反対されて組合を脱退された方もいます」 「この不況の中、フルタイムで働いていた私たち400人の女性の大半は、家計を支える担い手だったはずです」 「利益のために人を簡単に雇用し、簡単に使い捨てる銀行の体質、企業の体質は許されることではありません」 「労働組合の役員の皆さん、サポートして一緒にたたかって下さっている方々、金融ユニオン組合員の方々に本当に感謝します。これからも頑張ります。よろしくお願いします」 総 括今回の三菱東京UFJ銀行との闘いを通じて、銀行が直雇とはいえ契約社員の不安定な労働条件を企業が都合のいいような扱い(=解雇でなく短期契約労働者の期限満了)で法違反行為ではないと主張をしている事で、現在の派遣法や短期労働者の法的権利擁護の必要性を改めて痛感しています。そこで働く非正規の仲間は、組合の存在も知らずに企業のいわれるままで諦める人が多い中で、組合に加入して諦めることなく闘うことで労働者の権利が守られる事を確信しました。いま、雇用を勝ち取った仲間は、新しい職場での不安を持ちながらも組合員として働くことに支えを感じて4月1日から新しい職場に通勤を始めています。これまで支援頂いた方々へのお礼を申し上げるとともに短期・派遣などの非正規労働者の皆さんに組合に団結して何事もあきらめることなく手をつなぐ事を呼びかけます。 |
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