2016/08/31

裁判係争中などを理由とした団体交渉拒否は不当(東京都労働委員会)

 8月31日、東京都労働委員会は、NPO法人が運営する障害者の就労支援を行う福祉施設が組合役員を解雇し、組合員を雇い止めした問題で、「法人側が団体交渉に応じなかったことは不当労働行為にあたる」として救済命令を出しました。

 労働委員会は命令の中で、法人側が「裁判所等第三者の判定に委ねるほかない」「(団体交渉は)デッドロック(行き詰まり)に乗り上げた」と主張したことについて。「正当な理由のない団体交渉拒否にあたる」と指摘。さらに「法人は、交渉をしない、裁判で決着したいという基本的な姿勢を変えないもので、団体交渉でのやりとりも断片的で本質的な部分に関わるものではない」としました。

 私たち金融労連でも、近年、経営者が「裁判を見守りたい」「交渉は平行線」などとして団体交渉を拒否したり、打ち切ったりする場面に遭遇するケースが散見されるだけに、改めて、この労働委員会の命令を武器に活用していくことが大切です。

金融庁交渉などでも使おう

 金融庁など行政機関との交渉の際にも、「裁判係争中の問題を指導できない」との対応が見受けられますが、労働委員会の命令を生かして「裁判係争中の問題であっても、労使間の団体交渉に応じるよう指導せよ」と求めていくことは充分可能です。


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