2017/12/10

「働き方改革」とは何ぞや?⑨

 安倍総理の決まり文句に「我が国が世界の〇〇をリードする」という言葉や「働き方改革」があり、先に行われた衆議院選挙のあとには、「人づくり革命」という言葉が躍った。よくも次から次へと耳ざわりのよい言葉が出るものだ。

 次の項を読んでいただければ、ここにも世界的に恥ずかしく不名誉な現状の一端が見えてくる。

「同一価値労働同一賃金」原則規定の整備の必要性

 同じ仕事に従事していれば同じ賃金を支払う。仕事に応じて適切な賃金を受け取る。これが常識的な考え方であろう。国際的にもILO条約や国連人権規約、国連女性差別撤回条約など、広く「同一価値労働同一賃金」の原則規定がされ、多くの国がこの原則にもとづいて国内法規を整備しているとのこと。ECに加盟するすべての国において、パートタイム労働指令、有期労働指令、派遣労働指令などが適用されて、非正規労働者にも「同一価値労働同一賃金」原則にもとづき、賃金制度が整備されているとのこと。

 皆さんもイヤというほど思い知らされていることと思うが、わが国では、男性と女性、正規と非正規の賃金格差が先進諸国のなかでも極めて大きい。そのため、ILOの条約勧告適用専門家委員会が、たびたび日本政府に説明を求めているとか。2007年6月には日本政府に対して、国内法の整備を含むILO100号条約の積極的な促進のための政策を要請されているとのことであり、「働き方改革」「人づくり革命」と言うなら、この問題についての国内法の整備を優先させるべきではないのか。

続く


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