2019/08/31
個人加盟労組の発展に向けて-金融ユニオン定期全国大会-
8月31日、愛知県豊橋市で、金融ユニオン第11回定期全国大会が開催されこの1年間の活動の成果を出し合い、新年度の運動方針を決定しました。
黒田委員長はあいさつで、「金融ユニオンが結成されて10年が経ち、取り巻く状況は大きく変化した。収益第一主義のもとスルガ銀行・かんぽ生命などでの違法な営業が明るみに出た。職場ではパワハラがまかりとおり、おかしいと思っても口に出せない、あきらめの状況になっている。金融ユニオンは『労働者への攻撃』『不利益は許さない』という立場で、モノ言う組合として活動している。皆さんの活動の力となるような議論を期待する」とあいさつで訴えました。
大場書記長からの議案提案を受けて行われた討論では、以下のような意見が発言されました。
退職勧奨・パワハラ関連
- ●銀行の関連会社で「ミスが多い。成績が良くない」などという理由で執拗な退職勧奨を受けて、金融ユニオンに加入した。退職勧奨は止まったが、パワハラの事実調査も行わず、パワハラを否定するだけでなく人格を否定する言動が続いているので、皆さんのお知恵をお借りしたい。
- ●会社に反省が見られないようなので、機関紙やホームページなどで、会社前での宣伝行動をやってはどうか。
- ●団体交渉でパワハラ問題を取り上げたら、全店で勉強会が実施された。
- ●通勤途上の交通事故にあい、私は被害者なのに「何で、もっと気をつけて出勤しなかったのか」と上司から言われ、ショックでメンタル不全になり、なかなか立ち直れない。今回の労災の件で、組合に助けてもらった経験をもとに、病気が治ったら今度は、苦しんでいる人に救いの手を差し伸べていきたい。
職場で起こっている問題
- ●人事考課を導入する際に、公正な評価が行われる担保として約束されていた「フィードバック」が、形骸化されつつある。「フィードバック」の民主化のためには、録音や組合役員の同席を最低限認めさせることが大切。現に、どちらとも実施されている銀行や関連会社が金融ユニオンの中には存在している。『やればできる』のだから、あきらめずに要求していこう。
- ●正確な説明をすると、収益優先の金融商品など売れるはずがない。「営業している人の行動が変わってきている」などと、ごまかそうとする金融庁にこの根本の部分をきっちりモノ申していくことが大切だ。
- ●今年の金融庁要請の中で「収益本位で利益を上げていくノルマを課すようなことはやめます」と回答している。現実に回転売買はやめるような銀行も生まれている。近畿では「カードローンの残高を上げさせるようなセールスが顧客本位か」との質問に「それは問題です」と初めて回答した。私たちの運動によって変化は着実に生まれてきている。
- ●金融機関の収益だけではなく、法人顧客の資産自体が減少していないか、ということも金融庁は監督の対象にするようになっている。労働組合の声もやっと届くようになっている。
- ●運動方針には具体的に触れられていないが、「顧客無視」の最たるものとして、最近の両替手数料への不満は大きい。秋闘などでも「両替手数料の廃止」を正面から要求すべきだ。
- ●「顧客本位」でない現場の仕事のやり方がイヤで退職していく仲間が生まれている。
- ●従業員組合が直接雇用の非正規労働者を強制的に組合に加入させた。従業員組合の団交は、団体交渉ではなく、経営問題についての和気藹々とした話し合いのようで、職場からの具体的要求は話し合われていない。
- ●ヒールのある靴の着用での苦痛からの解放を訴える運動が広がっている。声を出していかないと、どんどんドレスコードなどで縛られる時代に逆戻りすると思う。ケガや病気でもない限り、自由な靴を着用できないのは苦痛であり、変えていきたい。
- ●この1年間、年休5日間の取得義務化により、これまでの特別休暇を年休取得に吸収させたりする姑息な経営側の手法も一部には見られたが、少なくとも取得できる休暇は増加していると思う。私たちの運動もあって非正規差別は少しずつ是正されつつある。しかし、正社員間・非正規間の格差は考課導入のなどで逆に広げようとする傾向もある。金融ユニオンの運動が着実に成果をあげてきていることに確信をもって頑張りたい。
など16人の仲間が発言しました。
全ての議案が採択され、新年度の役員の中から、三役が信任投票で選出されました。
大会で選出された新三役は次の通りです。
- 委員長 黒田 清美(再)
- 副委員長 中村 弘光(再)
- 書記長 大場 正博(再)
- (敬称略)
(敬称略)
本大会には、国公労連等、多くの仲間からお祝いメッセージをいただきました。心よりお礼申し上げます。