2020/01/10

金融ユニオン 黒田 清美 中央執行委員長 年頭のご挨拶

 謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

 皆さまにおかれましては、新年をつつがなくお迎えられたことと存じます。

 昨年は、何度も大規模台風が日本を直撃し河川の氾濫、浸水がありました。被災された方々には心よりお見舞い申し上げます。毎年、度重なる台風の襲来を考えると地球温暖化が進行する中で、日本も以前とは違った環境になってきているのではないかと危惧します。12月にスペインで開催されたCOP25では、スウェーデンの環境保護活動家グレタ・トゥンベリさんが「各国が抜け道を協議している」と発言しています。日本政府は、具体的な発信が出来ず、不名誉な2度目の「化石賞」を授与されました。メガバンクは、火力発電への融資を取り止めることやグリーンボンドの起債で環境問題に寄与していることを盛んにアピールしています。私たち、個々の環境保護活動は、生活の中でどのように考え、行動していくかが重要です。

 さて、昨年のスポーツ界は、ラグビーワールドカップの話題で持ちきりでした。「にわかファン」「ジャッカル」「笑わない男」など、中でも流行語大賞を取った「ワン・チーム」は、様々な場面で使われています。ラグビーでは、個々の能力の上にチームとしての一体感、チームプレーが要求されます。チームとして、まとまりの象徴としての「ワン・チーム」は素晴らしい言葉だと思いますが、少し斜に構えて考えてみると「同調性」を強要する言葉と捉えることもできます。同調性を強要するあまり、異端の考え方を無視する世の中であってはならないと考えます。自由にものの言える社会であり続けることが重要なのです。昨年は、わたくしの地元、愛知で開催された「愛知トリエンナーレ」の「表現の不自由展」が話題になりました。見たこと、感じたことこそが芸術の出発点であって、開催自体を押し込めることがあってはならないと考えます。

 一昨年のスルガ銀行の不正融資に続き、昨年は、かんぽ生命、日本郵便の保険の不適切販売が明るみに出ました。いずれも、背後には、収益最優先の厳しいノルマとパワハラがあります。金融庁の掲げてきた「顧客本位の業務運営」は、現実には周知徹底されていません。ノルマの廃止を掲げ、個人の収益数字を掲げないとしている銀行の中でも、新たな「目標」を生み出しています。「顧客本位」を「絵に描いた餅」にしないために、経営を監視していくことも労働組合の重要な役割と考えます。同時に、監督官庁にも要請行動を重ねて行きましょう。

 私たちの働く金融機関は、大きな節目を迎えています。地方銀行では、銀行の合併や統合、支店の少人数化など、メガバンクでは大胆な店舗統廃合が行われています。地方銀行である島根銀行、福島銀行とネット金融大手のSBIホールディングスの資本業務提携などもあります。大きな流れの中で、労働組合は、そこに働く労働者の職場の確保と労働条件を守っていく使命があります。在宅勤務やフレックスタイムの拡大など「働き方改革」の名の下で労働者の分断が進んでいます。しかし、私たちは、一人ひとりの力を結集して団結して行きましょう。小さな願いや希望の芽こそが、世の中を少しでも進歩させる原動力ではないでしょうか。

「ひとりはみんなのために、みんなはひとりのために」これもラグビー用語ですが、この言葉をかみしめて、健康で、まともな暮らしと働き続けられる職場を目指して今年も元気にがんばりましょう。

 皆さま本年も、よろしくお願い申し上げます。


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