2020/09/13
金融ユニオン 定期全国大会 開催-集まることの大切さ
9月13日、愛知県豊橋市で、金融ユニオン第12回定期全国大会が開催され、代議員・役員・オブザーバーが参加し、この1年間の活動の成果を出し合い、新年度の運動方針等を決定しました。
東海支部代議員を大会議長に選出した後、黒田委員長が「私たちの組合活動は、不要ではありませんし、不急ではないことも多々あります。しかし、今回の県をまたいだ異動は、ご家族や周囲のご理解が無くてはできません。来ていただけて本当にありがとうございます」と新型コロナ禍の中で参加された仲間に感謝の意を表し、次のように挨拶しました。
「情勢は、あっけない安倍政権の幕切れとなりましたが、辞任会見前に39%まで落ち込んでいた内閣支持率が辞任直後には59%に回復し、SNS上では、安倍政権の失政についても『そんなに言ったらかわいそう』の声まで上がっているようです。『モリ』『カケ』『サクラ』疑惑解明は一体どこに行ってしまったのでしょうか。次期政権も、安倍政治を踏襲すると言って、憲法『改正』まで狙っています。
平和があっての労働組合活動です。自由にモノが言えなくなる憲法の改悪を絶対に許してはならないと考えます。
コロナ禍は、私たちの働き方を変えました。金融機関では、本部に働く一部の労働者しかありえないと考えていた在宅勤務や、営業店ではありえなかった交代勤務などが当たり前になろうとしています。お客さんの側も、来店せずに出来ることが多くなってきました。変化する情勢の中にあっても、労働組合に団結して、雇用を守り、生活向上を目指すことに変わりはありません。今大会を、これからの闘いへ希望の持てる大会にして行きたいと思います」
続いて、行われた議案提案でも、コロナ禍によって労働組合として「集まれなくてもできること」と「集まることの大切さ」を改めて心に刻むことができたと強調され、全国の仲間が困難な中でも、格差是正、ベア実現、組織拡大などの成果をあげていることが紹介されました。
新年度運動方針として「非正規差別是正・改善に加え、ジェンダー平等を柱にして取り組む」ことが提起されました。
【コロナ禍での春闘】
- ●コロナ融資を制度の趣旨に反した取り扱いで、自行プロパー融資の実質借り換えなどリスク放棄に活用したりしている金融機関が目立つ。取扱融資件数・金額だけを安易に比較するようなことはやめてほしい。
- ●融資相談で、5月・6月には毎晩8~9時まで残業が続いた。
- ●コロナが長引くようなら「集まれなかったら何にもできない」というのではなく、ズーム会議も採り入れたらいいと思う。
- ●労働組合がコロナ関連のさまざまな要求を春闘で提出し一定の基準などのルール化につながった。
- ●持病を有する組合員についてコロナ感染回避を最優先にして「テレワーク」要求を掲げ、団体交渉に代わって文書及び電話での交渉を進めた。本部勤務ということもあって、他の行員よりも前倒しの「テレワーク」が実現。本人と家族から大変感謝されている。
- ●支店長の裁量権が拡大され、仕事のやり方も大きく変化し、ついていくのが大変。会社への帰属意識・愛社精神が以前より強く求められているような感じがする。
- ●同一県内の移動なのに何でも「コロナ」のせいにして団体交渉開催を引き延ばし、文書回答も「前例がない」として応じない。現在まで春闘要求に無回答のまま。組織減少が続く組合を軽視している感さえある。
- ●コロナに関わる働き方の要求を出した東京金融取引所の例を参考にさせてもらった。情報の交流・共有の大切さを感じた。
- ●仕事環境の確保を個人負担にしたり、労働時間管理をあいまいにする「在宅勤務」の問題点を再点検すべきだ。
- ●来店客にわかりにくい消毒液の設置場所など利用者目線で点検していこう。
- ●コロナ禍でも営業しているのに、団体交渉だけできないというのはおかしい。
【組織問題】
- ●職場では、組合員は私ひとりだけだが、「バックには金融ユニオンや金融労連の全国の仲間がいる」ということが、心の支えになっている。
- ●地協の中心の企業内組合が解散して、拠点も人材も失い、弱体化してきている。金融ユニオンの仲間が何とか支えてきたが、それも限界に来ている。でも、パワハラ問題をきっかけに金融ユニオンに入ったおかげで、これまでやって来れたことを忘れずに、どんな形であっても組合活動を続けていく決意だ。
- ●OBの皆さんの力で、金融ユニオンの新しい分会結成の準備が着々と進められている。結成の時には、みんなで喜び合いたい。
【職場関連】
- ●不払い残業が臨店時の内部検査の対象に加えられた。さらに「名ばかり管理職」問題も加えてほしいと検査部に要望した。
- ●カードローンを中心とした過度なノルマで上司からのパワハラや、昼休みも取れずに働かされるなど、人権侵害の陰湿ないじめで苦しめられている労働者からの労働相談体制を築いていきたい。
- ●派遣元との団体交渉で、派遣先での上から目線の管理職者の在り方や実質「日雇い派遣」の1カ月の雇用契約への労働者の不安を労働組合と共有して改善させたり謝罪させたりできた。
【その他】
- ●臨給評価のフィードバックの不十分さを団体交渉で追及して、低評価による臨給削減額を取り戻せた。
- ●昇格による賃上げで組合費も増額となり、組合財政にも貢献できた。
- ●両替手数料や硬貨入金手数料等、中小零細業者や庶民いじめの「顧客本位」とは程遠い手数料問題を労働組合としてストップさせていきたい。