2020/12/20
増勢で迎えた大会 金融ユニオン近畿支部大会
12月19日、金融労連西日本事務所で金融ユニオン近畿支部の第12回定期大会が開催されました。
近畿支部では、この1年で新たに京都北都信金分会の結成などもあって、久々に組合員純増のもとで大会を迎えることができました。
辻支部長はあいさつで、最高裁の非正規格差に関する最近の3つの判決を紹介したうえで、信金・信組の業態変更への研究が始まったことなども含め、地銀再編への危険な金融行政の暴走に警鐘を鳴らしました。また「今年の一文字漢字となった『密』を、避けつつも労働組合として団結を強めて要求を実現していこう」と呼びかけました。
「コロナ」口実の団結破壊
議案提案に続いて行われた討論では「この1年、宣伝の機会が減り、現役世代の組合員減少とも相まって職場で仲間を増やすことが難しくなっている」「労働組合役員が職場から電話で人事部と激しく渡り合っている姿を、最近ほとんど見なくなった。あの姿は職場の仲間を励ましてくれたのに」など、職場の厳しい状況が報告されました。
特に、今回は「職場での横のつながりや情報共有より『出勤しない』ことが優先され、職場で労働組合の話ができない、やりづらい雰囲気だ」「感染対策を理由に、経営者が団体交渉拒否・回答遅延を正当化し、大阪シティ信金では悪乗りして代替案のリモート団交まで拒否している」等々、コロナ禍を「理由」にした労働組合攻撃の実態が報告されました。
「当たり前」の見直しを
「これだけ臨給が下げられている中で、さらに考課配分で格差をつけようとしている」「非正規の臨給は『寸志程度』でも仕方がないと思っている人が少なくない」「4月に入社して、すぐに有給休暇が取れるのは当たり前だと思っている新人がいる」「ウチの銀行の社会保険料は労使折半ではなく、会社3分の2、労働者3分の1だ」等々、自分たちの周りで「当たり前」と思われていることが、実は労働組合がこれまでの闘いを通じてかちとってきたものであると次々に話されました。
「組合費自体の高い安いだけで労働組合を判断するのが、労働者にとって自殺行為」であることを再認識させられました。
組合員をどう増やすか
今回、新加入の京都北都信金分会の代議員からは「無権利・過重労働の管理職者の労働条件改善のため20年間頑張ってきた管理職分会を今回発展的に解消し、さらに幅広い労働者の生活と権利、地域に信頼される信金めざして、京都北都信金分会を結成し、従組を外から応援してがんばる」と決意が披露されました。
組合員を増やすには「仲間への声かけ、要求実現に向けたとりくみなど基本的なことを忘れてはならない」「周りから楽しく労働組合活動をやっているように思ってもらわないと仲間は集まって来ない」「楽しいこととは、単なる遊びだけではなく、新しいことを『知る』『体験できる』ことによって成長を実感できること」など、かみ合った議論になりました。
その他、ほけんの窓口での労災からの職場復帰に向けたとりくみやSMBCヒューマンキャリアの派遣労働者の待遇改善のとりくみ、東京での退職勧奨攻撃の労働相談例などが報告されました。
決算・予算を含め全議案が満場一致で採択され、2月7日の金融ユニオン第12回中央委員会(大阪予定)への近畿支部からの中央委員として、辻支部長・京都北都信金分会の仲間を派遣することを確認し、大会を終了しました。