2021/05/10
「ほけんの窓口グループ」の解決にあたって
金融ユニオン近畿支部福岡分会のNさん(ほけんの窓口グループ)の職場での労災から始まった2018年12月からの会社との交渉は、今年3月末付で退職し、健康回復をめざして新しいスタートを切ることになりました。
金融労連の全国の仲間、地元の福岡県労連・筑後地区労連はじめ多くの皆さんのご支援に心から感謝申し上げます。
2018年8月、職場での足の負傷という労災から始まり、当初の年休による1ヶ月弱の治療休暇、回復途上の無理な出勤による症状悪化で再度労災休暇を取得するため組合に加入し、復職をめざしました。
しかし、2019年2月15日、ようやく原店復帰できることになった3日目の出勤途上に交通事故に遭い、再度の労災休暇になってしまいました。交通事故で休暇中、職場の上司からの心ない発言で今度は「心の病」にも陥り、長期の休職、私傷病休暇の1年半の2020年9月末以降も、治療を重ねて復職をめざしました。
主治医からは「職場復帰可能」の診断書を得ましたが、自宅からのリハビリ勤務のできるような営業店への復職を会社が認めず、自らの「健康」を優先した退職の選択をすることになりました。
昨年の復職をめざす団体交渉は、コロナ禍もあって、会社の本部がある東京と、金融ユニオン中執と、Nさんの地元の福岡を結んだリモート形式で地域労連の仲間の参加も得て進められ、解決に至りました。
加入通告直後の交渉では、以下の要求をしてきました。
- ➀労災でありながら年休利用の休職に対する会社の『労災適用』対応
- ➁少人数店舗の同僚への配慮から無理した勤務
- ➂復職時に産業医の面談を実施しなかった問題点 など
指摘し、症状悪化の責任を追及し、復職時の産業医面談のルール化等を要求しました。
その結果、産業医が東京に一人いるだけの体制を、西日本地区にも配置させる改善を実現。また、少人数店舗の昼食休憩の取りにくい職場環境の改善等も併せて交渉し、改善の努力を確約させました。
就業規則上の休職期間を経過しても、それまでの労使交渉の経緯を踏まえて、二度にわたって延長させ職場復帰の条件交渉を重ねましたが、双方が納得できる復職場所を見つけることができませんでした。
『復職交渉の途中では、健康回復に時間がかかる焦りと、このような体にされた会社への悔しさばかりで、先の見えない時もありましたが、家族と組合の方々の励ましと粘り強い交渉で、何とか納得できる解決ができたと感謝しています』
「引き続き組合員としてがんばりたい」
Nさんは、ほけんの窓口へ入社する前には三菱UFJ銀行の大阪テレビ窓口センターのリストラとのたたかいに参加して、解雇を撤回させ、希望退職者には相応の就職支援の解決金を獲得できたことで、地元福岡での就職後も金融ユニオンの組合員として九州での仲間づくりの活動に取り組んできました。労災発生時に組合と相談して、もう少し早い時期に公然化しておれば、症状悪化することなく職場復帰できたのではないかと、反省の一つとして考えているところです。
それでも心の病の厳しい状況におかれながらも2年半もたたかいを続けてこられたのは「組合の仲間の支えがあったから」と、引き続き金融ユニオンの組合員として残って活動する決意です。
最後まで、組合として仲間の要求前進への思いを組み込めた解決になったことを成果として終わることができたと思っています。