2021/10/01

「信金を良くしたい」 枚方(ひらかた)信金(大阪)で新加入

 10月1日付で枚方信金のIさんが金融ユニオンに加入されました。

 9月に金融ユニオンのホームページを見て大阪の事務所に連絡し相談を重ねる中で、今回の新加入に至りました。

 Iさんは、規程はあるものの経営トップの「好き嫌い」で恣意的に運用されていると言わざるを得ない実態の改善と、残業代が支給されない「管理監督者」の範囲の見直しなどを実現したいと思い、組合に相談。組合から「ぜひ私たちと一緒にやりましょう」と言われ、加入を決意しました。

 枚方信金には労働組合がなく、これまで「過労死寸前だった職場に増員してほしい」など経営者に物言う存在だったIさんは、9月の相談の時点で既に自らの異動を察知していたかのような口ぶりで、「補充がされないと大変なことになる」と不安を熱く語っていました。

賃下げ理由の説明もなく

 10月1日付で行われた人事異動ではIさんに賃金減額及びグレード降格を伴う支店への異動が発令されました。職場で、一方的な労働条件の不利益変更の理由を明確にするよう求めたIさんに人事部は「総合的判断」と言うだけだったため、同日付で組合加入を通告しました。

 降職異動を知った全店の仲間からは「何か悪いことでもしたのか」と尋ねられるなど、身に覚えのない風評リスクにもさらされました。

団体交渉でようやく…

 10月28日に行われた初めての団体交渉では、ようやく理由説明が行われたものの、金庫は「期待したところまで達していない」「自分の担当部署だけしか目が向いていない」あげくの果てに、今まで一度も注意を受けたこともない「セクハラ疑惑」まで持ち出すありさまでした。

 Iさんは「上司から自分の担当部署に専念してほしいと言われてやってきたことが、賃下げの理由にされるとは思ってもいなかった」「誰がいつどこで何をもって私にセクハラ問題を注意したのか明らかにしてほしい」と反論。皮肉にも金庫内に異議申立制度やコンプラ委員会が機能していないことが露呈した格好となりました。

 その他にも、4人に1人まで広がっている管理監督者の範囲の実態に、組合は「例え残業代の節約のためだとしても、労働者としての保護を受けられない管理監督者をこんなに増やしていては、安全安心な職場は作れない」と金融労連の時間外手当管理についての資料を提示して見直しを強く求めました。

 いずれの問題についても金庫は「調査の上、1カ月以内に団体交渉で報告させていただく」と回答するのが精一杯のようでした。

Iさんからは

 「団交ありがとうございました。
初めての団交で不安がありましたが、3人の方たちが同席してもらえた事で不安も解消されて臨む事ができましたし、減給の理由が聞けた事はありがたかったです。しかし、理由は納得しがたいもので不当としか思えません。次回の団交での回答次第では、当庫内で組合に加入する仲間を増やす事を考えています。当庫を変えたい、良くしたいと思う職員は沢山いますので。
今回は思う事の半分位しか意見ができませんでしたが、次回以降も皆様の力をお借りし、臨んでいきたいと思いますので宜しくお願い致します」とのメッセージがありました。

大変だった不動信金譲受作業

 今回の労働相談の中で、約20年前の不動信金争議の際に事業を譲り受けた9信金のひとつであった枚方信金で、Iさんがその作業を担当していたこともわかりました。

 「不動信金の労働者をひとりも雇用しない譲渡作業のせいで、現場は大変厳しい状況でした。不動信金は労働組合が『過激』なので雇用しないと聞かされましたが、そんなこと現場の作業をしている私たちにとっては関係ないこと。その時、解雇された不動信金の人に今回お世話になろうとは思ってもいませんでした」とIさんは語っています。

 結果として、やはり労働者不在の事業譲渡作業はムリということで、枚方信金では秘密裏に労働組合員以外の当該支店の大多数の職員を雇用していました。

 他の8信金は、譲り受けた不動信金の支店を、その後ほとんど売却処分していますが、枚方信金は、守口東支店として今も営業活動を続けています。


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