2023/12/23
組合本来の姿を示す1年に-近畿支部大会-
金融ユニオン近畿支部は12月23日、第15回定期大会を昨年に続いてリモート形式で開催しました。執行部から議案提案が行われた後、近況報告も兼ねて報告が行われ、後半は主に組織問題に関して自由に意見が出されました。
店舗統廃合で弱者悲鳴
「大阪でも買い物ができない地域が増えてきている。特に高齢者が大型スーパーの進出で個人商店、地域の中小スーパーが潰れ、今度はその大型スーパーが撤退して結局、地域の利用者が買い物できなくなっている状況が生まれている。信用金庫とか銀行も、店舗を構えるということは地域を支える責任も同時に発生するということをもう一度経営者に知らしめていくことが必要」
70歳までの雇用確保は?
「60歳過ぎたら仕事が見つからない。見つかっても賃金は最低賃金水準。物価高ともあいまって生活実感はギリギリ」
労働組合の出番が
「ビッグモーターや宝塚歌劇団のように無茶な働き方をさせられても声を出せない労働者がまだまだ多い。なんとかできるのは労働組合しかない」
「理不尽なことに声を上げたら自分が生活的にひどい状況になる。それを何とかしてあげられるのが労働組合だと思う。個人がひとりでできないことを組合に入って強い力を得て行うという組合の本来の姿を忘れずにやっていこう」
「みんながかつてなく強い怒りを感じているのにそれを共有できずに、それぞれがそれぞれの思いでやっていることを反省点にしたい」
さまよう経営者と絶賛された利用者アンケート
「京都北都信金分会の大会に参加して、今の情勢の中で経営者もどうしていいか分かっていないのだろうと感じた。そういう中で、私たちの原点は利用者と労働者だ。この人たちが生き残れてこそ企業も生き残れるんだということを、同分会が取り組んだアンケートで確信した。これを広げ、発展させていくのが労働組合の役割だと強く思う」
「京都北都分会で取り組んだアンケートの理念は素晴らしいものだと思う。行政のアメとムチの政策に惑わされることなく120年の歴史を持つ京都北都信金が地域の中小企業や住民など顧客の声に応えるべく継続することを願う」
平和の発信を
「定期大会とか中央委員会などで、平和の問題が全く出ないのが残念。仕事ができて、労働組合運動ができるのは平和であるからだ。地元の歴史や戦争体験を見聞きし、戦争のキナ臭い今こそ発信していきたい」
若い仲間の参加について
「賃金が上がるのも、長時間労働がなくなってきたのも、自由に休暇が取れるのも経営者のおかげだと思っている若い人が増えている。そうではなく、年越し派遣村の時のように労働組合の本当の姿を広く見せていけるように精一杯大きな声と旗を広げて頑張ろう」
「組合の先輩たちを見ていると全部ポジティブで解決するかというとそういうわけではないが、やっぱり『心文字』って重要だと思う」
「ホームページを用意しても、会社でパワハラとか不当な扱いなどがない限り、普通ネットで検索とかしないと思う。春闘とかニュースで見たりとかするけど自分とは縁遠いものだと思ったり、「組合に入っているが、組合費だけ取られてる」など、そういう感覚が大半だと思う。まずは知ってもらうということを、粘り強くやっていく、難しい局面だが頑張る」
「SNSをやろうと呼びかけているが、悪用されたら恐ろしい面もあると思う」
「ハラスメントや権利侵害など、金融ユニオンのこれまでの蓄積したノウハウを活かす方向で活路を見いだせると思う」等々、ともすれば重たい課題になりがちな組織問題についても次から次へと発言が続きました。
討論終了後、3月と4月に毎年行っている近畿財務局要請に24春闘でも中小業者の団体などとも一緒になって取り組みたいとの提起がなされ、積極的に参加していくことを確認しました。
また、2月4日に大阪で開催予定の金融ユニオン中央委員会への近畿支部からの中央委員2名の選出を確認し、全議案が満場一致で採択。現役員全員の再任が承認され大会を終了しました。