2024/02/04
“困難を乗り越え前進を” 金融ユニオン第15回中央委員会
金融ユニオンは、2月4日、大阪市15回中央委員会を開催し、全国から中央委員、本部役員が参加しました。
主催者を代表して委員長は、「元旦に起きた能登半島地震で被災された方々へのお見舞いを申し上げると共に久しぶりに皆さんと直接お会いできたことがやっとという感じでとても嬉しい」と述べたうえで、「自民党の麻生副総裁は先日、上川外相を『あのおばさん』と呼び『そんなに美しい方とは言わないけれども』と紹介しました。国の政治の担い手がいまだに女性をこんな風に年齢や容姿を取り立てて言うなどは言語道断で、今時の子どもでもそんな言い方をするものではないということは承知しています。翌日、発言は撤回されましたが、とても先進国の政治家と言えるものではなく、世界に顔向けできるものではありません。金融ユニオンは、賃上げと並んで、ジェンダー平等、非正規差別撤廃は今春闘のもう一つの柱と考えています。非正規労働者の約7割が女性という現実があります。
現在、フリーランスや多様な働き方という建前で、男性労働者の中にも非正規化が進んでいます。そのことも賃金全体が上がらない要因ではありますが、もともと古い家父長制度の中で、税制や社会保障制度により家計補助的に働くパート労働者の賃金は低くて良いのだという性差別があります。女性の就業率自体は上昇傾向にあり、15歳から65歳までの女性は72・4%が就業しています。出産・育児中の年齢といわれる25歳から44歳の女性も79.8%が就業しています。女性が生きいきと働きがいを持って働ける職場に改善することは、男性も含めた職場環境を改善することになります。ジェンダー平等を賃金と職場環境の両面から発展させていきましょう。また、この春闘では組合主導の賃上げに取り組みましょう。政府や経営の主導ではなく組合が勝ち取る賃上げを是非実現していきましょう」とあいさつを行いました。
各支部からの報告と執行部からの春闘方針案の提案・仮決算報告・あおぞら銀行の中央労働委員会での和解報告などを受けた討論では、「職場でモノ言う労働者を報復配転で心の病に追い込んでいる三菱UFJとの非正規労働者のたたかい」「地域の利用者の声を労働組合が集めて経営者に届けようとする取り組み」「70歳までの雇用確保の実態」等々、円卓会議室を有効活用して活発な意見交換が行われました。
『顧客本位』は何処へ
「金融ユニオン京都北都分会で取り組んだ顧客・OBアンケートで、出された声は、やはり店舗・ATMの存続、何でも手数料への批判が多かった。金融機関の安易な店舗撤退には反対していきたい。」
「金融ユニオン京都北都分会の利用者アンケートの結果をもとにした懇談会申し入れを経営者が拒否し続けている。これは金融庁が掲げる『顧客本位』に背を向けるもので改善指導を近畿財務局に求めたい。」
「手数料の問題を労働組合まで『手間ヒマがかかるから』『収益確保のため』などと考えて、利用者を置き去りにすれば、その金融機関はいずれ利用者からも見放されると思う。」
「手数料について、障害者割引があってもよいのではないか。映画館とか乗り物に障害者割引というのがあるのだから、それと同じように金融機関の手数料の割引も考えてはどうか。」
「目の見えない利用者のための誘導ブロック帯が銀行の建物に直結していないため、どこから建物に入っていいのかわからない。建物内の誘導ブロックが黄色であれば弱視者の人にも見える色なのに銀色にしている。しかも誘導ブロックの丸い点々がむちゃくちゃ小さい。利用者よりも『おしゃれ』とか『見栄え』を重視して、弱者の観点・視点を忘れている。栄総行動(名古屋)で引き続き東海財務局や銀行に改善を求めていきたい。」
等々、利用者の立場から労働組合が取り組んでいこうとする声が目立ち始めています。
頑張る新しい仲間も
昨年月に金融ユニオンに新しく加入した三菱UFJのSさんは9月の人事異動が不当配転だということで団体交渉を続けています。
職場改善に向けて積極的にモノ言う労働者を「不満分子」扱いするかのような一方的配転が、心の病を発症させるなど会社の安全配慮義務も問われています。
組織拡大強化の取り組み
三菱UFJの東京での拡大の他、北海道・東北・東海・近畿などでも、コロナ禍でしばらく途絶えがちになっていた仲間を増やす取り組みが再び始まってきています。北海道の仲間からは、「昨年の春闘とボーナスの時期に、金融労連と北海道地協で作ったチラシを北洋銀行、北海道銀行の社宅、北海道銀行事務センターに配布した。また3つの信金が合併して道内最大となった北海道信用金庫の本店と社宅にも配布した。反応は今のところないが、コロナで長い間できなかった宣伝行動が久しぶりにできた点で良かった」との報告もなされ、近畿の仲間からは「大阪分会と直属分会が毎月合同のリモート会議を定例化し、参加者が以前より増えて活気が生まれている」などの声が出されました。
労働条件改善に向けて
「無期雇用の非正規労働者に対して正行員の5年勤続退職者への水準を踏まえた退職金制度を作るよう要求している。非正規労働者への退職金支給例を是非教えてほしい」
「非正規労働者でも定年まで働けるようになったのに退職金だけは未だに支給されず、理由も説明できない状況だ」
「ジェンダー平等法の趣旨を踏まえて、管理職者の女性比率の数字目標を明確に提示させて是正に向けた方策を経営目標として具体化させていきたい」
「70歳までの雇用確保に向けて『努力義務』の履行をどれだけ行っているのか、今春闘では明確にさせたい」「65歳以降の雇用がどうなるか不安だという声は日に日に大きくなってきている」など、大軍拡によって大幅な削減が予想される社会保障制度に対する不安も職場に広がっているようです。
本中央委員会では、昨年来の物価高騰のもとで待ったなしの生活防衛に応えるような、以下の賃上げ要求を柱にした金融ユニオン春闘方針などが決定されました。
誰でも月額2万5千円以上
時間額150円以上