2018/01/10

金融ユニオン 中村 弘光 中央執行委員長 年頭のご挨拶

謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

 昨年は、大相撲では、稀勢の里関が初場所で悲願の優勝と同時に日本人横綱に昇進しました。また、陸上の桐生選手が日本人初の100メートル10秒の壁を破り日本新記録を樹立しました。

 NHKの朝ドラ「わろてんか」の北村屋の家訓には、当初は始末・才覚・算用でしたが、主人公が、心を籠めて仕事をしたことにより、それが知らず知らずの内に人の心を引き付けて自分の財産になった事が「人は財なり」となって人財として家訓に加わりました。また、クローズアップ現代では、銀行員達から顧客の利益を無視した金融商品を勧め販売してしまったという内部告発が続いたと驚くべき実態が報道されました。

 春闘では、長引く日銀のマイナス金利政策の影響もあり、昨年に引き続き、ほとんどの金融機関ではベアゼロの回答でした。また、臨給では、三菱東京UFJ銀行・みずほ銀行・新生銀行などで前年比+1%程度の引き上げがありましたが、「厳しい経営環境」「依然として先行き不透明」など労働者に責任のないあいまいな理由で、切実な要求には応えていません。

 これからの銀行は、気候変動抑制に関するパリ協定に即した業務が求められようとしています。「化石燃料や原子力」に投資している企業に対して世界では、投資をしない機運が高まっています。

 日本では、女性労働者の約6割が非正規雇用です。非正規労働者の格差是正と均等待遇が求められています。それには、「8時間働いて、まともに暮らせる労働法制の確立を展望」しつつ、非正規労働者の賃上げ、正社員への転換・無期雇用化・福利厚生の差別解消などの要求実現に取り組むことが大切です。

 金融ユニオンでは、権利侵害を許さず、労働者の雇用と権利を守るため、裁判など争議をたたかってきました。大阪シティ信金の休職期間満了解雇がたたかわれましたが、和解が成立しました。

 アベノミクスがめざしてきた「企業が世界で一番活動しやすい国」づくりは、企業を儲けさせるために私たちの生活を犠牲にすることでした。引き続き、雇用・労働条件の改善やくらし・平和を取り戻そうと願う人たちとの日々のつながりを強め、一人ひとりが大切にされる地域社会や職場に向けた取り組みが重要です。一人ひとりが確信を持ち仲間の団結と自覚的な創意を生かして行動することが大切です。

 健康で元気に活動できるよう、本年もよろしくお願いします。


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