2018/03/02
団交だより 大リストラ計画発表に苦言 三菱東京UFJ団体交渉
名古屋で行われた三菱東京UFJ銀行との団体交渉で、メガバンクが発表した「大リストラ計画」について紹介します。
- ●組合「平野会長が昨年『5年間に9500人の人員削減』を発表し、『支店を100店舗近く減らす』という計画を報道で知ったが、内容の詳しい説明がなく、職場では不安が広がっている。無期雇用転換はされたが、安易に解雇されるのではないかと心配している。銀行が、より利潤の多い部門にシフトしているもとで、希望しない職種への強要もありうるのではないかなど懸念される。実際どうなのか」
- ○銀行「9500人というのは業務量のことで、人員数で言うと6000人。これは過去の大量採用世代の人が転出されていったり、自然退職もある。あくまで自然減であり解雇などは含まれていない。不安を払拭できるようなメッセージを今後、出していきたい」
- ●組合「不安に思われるような発表をしているではないか。6000人自然減だけを発表すればよいのに、9500人分の仕事量削減などと言うのではなくて、例えば『これまで融資の申込みから3日間かかっていたのを1日でできるようになりました』とか、お客さんにも分かりやすく、従業員に不安を与えないような言い方をすべきではなかったのか。9500人と聞けば、誰でも自分もリストラかと思ってしまう。学生の就職先希望が、これまでずっとトップだった銀行業界が、初めて4位に転落したのは、この大リストラ計画発表も影響している。メガバンクがこんな大リストラ計画を発表すれば、他の地銀・信金なども同様だと思われてしまう。今でも採用難で困っている他の金融機関は、大変迷惑している。配置転換は銀行の都合かもしれないが、労働者にとっては、収益重視の慣れない部門への配置転換で『自主退職』を余儀なくされることにもなる。そういうのを見込んで9500人という数字を出しているのかと思ってしまう。企業の存続発展の為にも、新規採用をストップできないのだから、自然減だけで6000人などありえるのか。配置転換させられる労働者の一人ひとりの思いをくみ取って丁寧に対応して欲しい」
- ○銀行「おっしゃってることは理解しているつもりだ。今の金融サービスのあり方も変わっていく。今ある業務をそのままやっていけば、お客様の利便性に応えられなくなるのも事実だが、全く違う仕事を銀行都合で押し付けるつもりはない」
- ●組合「機械化の進展で顧客の利便性が向上しているというが、高齢者など機械化についていけない顧客もいるということを忘れないでもらいたい。そういった顧客をフォローするのは、やっぱり人間でしかできないということを」
- ○銀行「システム化によって解放された従業員を、富裕層や高齢者などへの手厚いサービスに回せると考えている」
- ●組合「そこまで理解されているのなら、解放された従業員に、これまで同様ノルマを課すようなことはできないはずだ。昨年末に報道されたNHKクローズアップ現代の中でも銀行員が、ノルマによってお客さんの為にならないリスク商品を売らされている実態が示されていた」
- ○銀行「顧客本位ということを考えた体制を全行的に進めていくことも必要だと思っている」