2018/03/10

働き方改革とはなんぞや? ⑪

〝ねつ造データで人の命を引き換える気か!”

 2月21日、衆議院予算委員会での裁量労働制をめぐる質疑をテレビで見ていて、安倍総理の質問者に対する態度・にやけ顔、議長の采配のひどさ、自民党筆頭理事のヤジは、極限の腹立ちを感じた。

 おまけに、次から次に出てくるデータの信憑性もない。ないという資料も地下の倉庫から出てくる。自衛隊の日報問題、「もり・かけ」とまったく一緒でひどいものだ。

 今回の国会では先送りとなったが、「高度プロフェッショナル制度」(残業代ゼロ)法案とともに、廃案に追い込みたいものだ。

最低賃金の大幅引き上げを

 安倍内閣はデフレ脱却のために、最低賃金の引き上げを政策課題とした。全国最低800円、全国平均1000円を2020年までにすると目標を掲げた。

 2016年の地域別最低賃金が確定し、全国加重平均は813円であり先進諸外国と比較しても依然として低水準である。全国平均を上回っているのは関東4都県と愛知、関西3府県という状況だ。813円で週40時間働いて月額は141千円強にしかならず、所得税・社会保険料が控除され、食費・居住費をはじめとする生活費の出費を差し引くと、憲法にある「健康で文化的な最低限度の生活を営む」とは決していえない。最低賃金は、労働者が生活していける水準でなければならない。

 全労連賃金・公契約対策局が2016年6月に発表した「最低生計費試算調査」によると、全国平均の最低生計費月額は税込み228千円強で、平均月間総実労働時間で割ると1581円となり、安倍総理のいう目標数値とは大幅に相違し、最賃要求の1500円は極めて正当な要求と言わざるを得ない。

 「金融・労働研究ネットワーク」(HP)の研究会報告で、前委員長が「メガバンクの非正規問題―三菱東京UFJ銀行を中心に」という報告と、同行の非正規労働者のフルタイムとパートタイムの契約者の賃金等のデータをまとめたものが閲覧できるとのことである。ぜひ参考にして要求交渉で活用してほしいと思う。

続く


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