2018/04/10
春闘交渉、各地で本格化
メガバンク(三菱UFJ・三井住友・みずほ銀行)の従業員組合を筆頭にベースアップ要求自体を見送るところが少なくないもとで、経営者側は「マイナス金利政策の影響で利益が減少」を理由に今春闘でも賃上げ回答を見送る傾向が見られます。
しかしながら、金融労連傘下の各組合では、全国で果敢に要求実現に向けて奮闘しています。
賃上げ・臨給拡大に向けた財源は本当にないのでしょうか?2015年度・17年度に続いて、今年度も、預金保険料率の引き下げによって金融機関の負担軽減が図られ、賃上げ・臨給に回せる財源は生まれています。
例えば、預金量1000億円の金融機関では、2015年度4200万円、17年度500万円、今年度300万円の預金保険料の負担軽減になり、この4年間のうちに5千万円もの新たな財源が生まれています。その使い道次第では、賃上げは不可能ではありません。
「連合」の第1回回答集計結果によれば、定期昇給込みの賃上げは、月額6516円(2.16%)で、昨年同時期の回答を若干上回っています。非正規の時間給は平均26円引き上がり、平均時給は999.89円となっています。
金融労連が参加している「国民春闘共闘委員会」でも、月額平均6083円(2.07%)で前年同時期の回答を270円上回り、時給も平均21.1円(前年同時期比プラス1.4円)の引き上げ回答が出されています。
これまでに金融労連本部へ報告されているなかでは、世田谷信金が初任給を2000円引き上げ、それに伴い30歳までの基本給の一律2000円引き上げ回答や、神奈川銀行では月末などの特定日(終業時間延長)制度を廃止することで、総労働時間が短縮され、実質賃金が引き上げられたなどの回答がありましたが、これから夏の臨給も含め5月の連休明けから交渉が本格化する状況です。
原材料費や物流費が高騰しているため、今年4月から、納豆やワインなどの食品の値上げが相次いでいます。ビールも大手3社(キリン・サントリー・サッポロ)が飲食店に提供する業務用ビールの出荷価格を引き上げるため、既に3月から値上げしているアサヒと合わせて大手4社がそろって10年ぶりの値上げに踏み切り、値上げ幅は10%前後です。
ネット通販のアマゾンは、4月4日注文受付分から、配送料を最大5割も値上げ。電気代やガス代も4月から全国で値上げされるなど、生活を維持していくだけでも、一定の賃上げが切実な課題になってきています。
労働者の切実な生活実態をリアルに打ち出して、粘り強く交渉を進めていきましょう。