2018/08/24
働き方改革一括法案の問題に迫る!-愛知にて学習会
~ 労働法制大改革と今後の組合活動 ~
中谷弁護士(愛知ブロック顧問弁護士)による名古屋ふれあいユニオン主催の公開学習会があり、参加しました。
アベノミクスの成長戦略で進められている労働政策は「行きすぎた雇用維持型から労働移動支援型への転換」です。企業がリストラを進める際に「労働移動支援助成金」として、一人当たり最大60万円が支給されるものです。予算ベースで2012年24億円が、2年後には349億円まで増額されました。
さらに「再就職支援」として大企業は、業績が悪くもないのに中高年のリストラをし、人材ビジネスや社労士が受託して金儲けしているのです。首切りをして、助成金をもらえるのなら企業は笑いが止まりません。
アベノミクスが描く成長戦略は、企業の内部留保の上積みで実質賃金の減少とデフレを生み、トリクルダウンの目論見は、崩れ去っています。一方、労働法の規制緩和は、非正規雇用の急増と格差の拡大を生んでいます。電通事件は、氷山の一角にすぎず、職場内のパワハラ、長時間労働は常態化しています。特に、トラック労働者やタクシー運転手などは、固定残業代制度の導入により、極端な長時間労働を強いられています。
この状況を踏まえ、『労働組合はどう闘うべきか』という主題での講演となりました。労働組合弱体化の原因として、個人の分断化、企業の競争論理へ巻き込まれ、人権意識の薄さをあげ、闘い方の継承が重要であるとしています。
最後に、労働運動の課題と個人加盟労組の意義について、個々の労働者の要求をくみ取り駆け込み寺としての重要性を持ちながら、闘いを請け負わないこと。本人の成長と組織の拡大を意識すること。運動の本質は、法律主義ではなく、必要性が生むものであるとしています。
(愛知ブロック・K)